確定申告
2016年7月 6日 水曜日
2016年度税制改正:「スイッチOTC薬控除」を創設!
1、「スイッチOTC薬控除」の創設
2016年度税制改正において、軽い症状であれば病院に行かず市販薬で治療するセルフメディケーション(自主服薬)推進のための施策として、「スイッチOTC薬控除」(医療費控除の控除額計算上の特例措置)が創設されました。
「スイッチOTC薬」とは、これまで医師の処方箋が必要だった医療用医薬品を、街の薬局で処方箋なしで買えるようにしたものをいい、OTCは「Over The Counter」の略で、薬局のカウンターで買える薬(市販薬)のことを指します。
自分や自分と生計を一にする配偶者その他の親族のために「スイッチOTC薬」を購入した場合、年間1万2,000円を超える部分の金額を、8万8,000円を限度としてその年分の総所得金額等から控除できます。
適用は2017年1月1日から2021年12月31日までの5年間で、現行の医療費控除との選択適用となります。
「スイッチOTC薬」は、使用実績があり、安全性の高い成分を配合している市販薬を指し、解熱鎮痛剤の「イブプロフェン」や「ロキソニン」、胃腸薬の「H2ブロッカー」、筋肉痛・関節痛薬の「インドメタシン」などがあります。ただし、薬局で販売されている薬に「スイッチOTC薬」と表記されていませんので、購入ごとに対象市販薬となるかどうかの確認が必要になります。
2、厚生労働省が医薬品名リストを公表
厚生労働省は6月17日、平成28年度税制改正で創設されたセルフメディケーション税制(スイッチOTC薬控除)の対象となる医薬品の具体的な販売商品名リストを公表しました。同日現在の対象商品は1492品目で、今後も増減があることから、2ヵ月おきに更新する予定だそうです。
公表されたリストには、販売商品名の他、製造販売業者名、成分名が記載されています。控除対象となった医薬品の成分で最も多かったのが消炎鎮痛剤としてシップ薬などに使われるインドメタシンで、「バンテリンコーワパップS」(興和)や「サロンパスEX」(久光製薬)など208品目ありました。これに次ぐ成分が、プレドニゾロン吉草酸エステルで、184品目に使われ、以下、フェルビナクが154品目に、イブプロフェンが148品目に使われています。
この税制の適用を受けるためには、控除対象医薬品であることがわかる領収書が必要ですが、控除対象医薬品名が公表されたことにより、レシート等に印字された医薬品名が証明となります。
今後の動向に注目です。
投稿者 菅原会計事務所