菅原会計事務所ブログ

2017年5月24日 水曜日

平成29年度税制改正 法人課税編その2

「所得拡大促進税制の拡充」
1、 趣旨
 デフレ脱却・経済再生に向けた措置の一環として賃上げを促すために所得拡大促進税制が見直されました。企業収益の拡大が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資の増加に結び付くという経済の好循環を強化するため、高い賃上げを行う企業への支援を強化する目的です。
2、 概要
(1) 中小企業者以外
大企業では、適用要件を平均給与等支給額について前年度比2%以上に見直したうえ、2%以上の賃上げを実施した場合には、現行の10%の税額控除額に給与等支給総額の前年からの増加額について2%の税額控除が上乗せされることとなりました。
(2) 中小企業者
中小企業者の場合、現行の給与支給増加額の10%控除する制度を維持したうえで、前年に比べて2%以上の賃上げを実施した場合には、現行の10%の税額控除額に給与等支給総額の前年からの増加額について12%の税額控除を上乗せされることとなりました。


「役員給与等について見直し」
1、 趣旨
 経営者に攻めの経営を後押しするため、中長期の企業価値向上に対するインセンティブとして、多様な業績連動報酬や株式報酬の導入の促進を目的として改正されました。

2、 概要
(1)利益連動給与について、現行の利益指標に株価等の指標(業績連動指標)を追加、また、計測期間も単年度指標から複数年度指標に拡大しています。
 これを受けて、業績連動指標に基づく一定の株式数の交付を給与に加えています。
(2)退職給与で利益等の指標を基礎として算定されるもののうち一定の要件を満たさないものは、その全額を損金不算入とし、これにあわせて、利益連動給与について、指標の対象が複数年になることを受け、業績目標の達成度合いに応じた新株予約権の一定数の交付を給与に加えています。
 なお、損金算入の手続に関しては、一定の時期に確定した金銭又は株式数を交付する給与は、事前確定の届出が必要。一方、複数年の期間に連動した金銭、株式等を交付する給与は、報酬委員会等の決定や有価証券報告書での開示等が必要です。
(3)譲渡制限付株式等について、完全子会社以外の子会社役員も付与の対象に加えています。また、非居住者である役員についても損金算入を可としています。
(4)定期同額給与の範囲について、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額を定期同額の範囲に加え、柔軟な対応に改めています。
3、適用時期 
上記改正の適用は、退職給与、譲渡制限付株式及び新株予約権に係る部分は平成29年10月1日以後、その他の部分は同年4月1日以後に支給又は交付の決議(その決議がない場合、その支給又は交付)をする給与からです。


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投稿者 菅原会計事務所

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