菅原会計事務所ブログ

2017年5月31日 水曜日

平成29年度税制改正 法人課税編その3

「中小企業投資促進税制上乗せ措置
 
 2017年度税制改正において、中小企業の投資促進税制などが見直されました。
具体的には、
(1)中小企業投資促進税制は対象資産から、「器具・備品」を除外した上で適用期限を2018年度末まで2年延長する
 資本金1億円以下の中小企業者等が対象となり、一定の設備投資を行った場合には、税額控除(7%)又は特別償却(30%)の選択適用を認める措置(上乗せ措置は税額控除10%又は即時償却)となります。
 なお、税額控除は、個人事業主及び資本金3,000万円以下の中小企業のみの適用となり、2017年度税制改正によって、対象設備から「器具・備品」が除外され、1台160万円以上の機械装置や複数基計70万円以上のソフトウェアなどが対象となります。
(2)商業・サービス業活性化税制の適用期限を2018年度末まで2年延長する
(3)中小企業投資促進税制の上乗せ措置を改組した中小企業経営強化税制を創設する
中小企業経営強化税制は、上記の中小企業投資促進税制の上乗せ措置を改組したもので、対象に全ての器具・備品、建物附属設備を追加します。
 一定の中小企業者等で中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたものが、2017年4月1日から2019年3月31日までの間に、一定の設備等を取得等し、国内にあるその法人の指定の事業の用に供した場合に、即時償却又は7%(特定中小企業者等は10%)の税額控除を選択適用できます。ただし、税額控除における控除税額は当期の法人税額の20%を上限とし、控除限度超過額は1年間の繰越しができます。

(4)固定資産税の減免措置を拡充する
 固定資産税の減免措置は、認定経営力向上計画に基づき、中小企業者等が取得する生産性を高める設備について、3年間、固定資産税を1/2に軽減する措置ですが、この特例措置は、2018年度末までの適用期限の到来をもって終了するものとし、残りの2年間に限り、地域・業種を限定したうえで、その対象設備に測定工具及び検査工具、器具・備品並びに建物附属設備(償却資産として課税されるものに限る)のうち一定のものが追加されます。

3、適用時期
 適用期限は、平成29年4月1日から平成31年3月31日までです。
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2017年5月24日 水曜日

平成29年度税制改正 法人課税編その2

「所得拡大促進税制の拡充」
1、 趣旨
 デフレ脱却・経済再生に向けた措置の一環として賃上げを促すために所得拡大促進税制が見直されました。企業収益の拡大が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資の増加に結び付くという経済の好循環を強化するため、高い賃上げを行う企業への支援を強化する目的です。
2、 概要
(1) 中小企業者以外
大企業では、適用要件を平均給与等支給額について前年度比2%以上に見直したうえ、2%以上の賃上げを実施した場合には、現行の10%の税額控除額に給与等支給総額の前年からの増加額について2%の税額控除が上乗せされることとなりました。
(2) 中小企業者
中小企業者の場合、現行の給与支給増加額の10%控除する制度を維持したうえで、前年に比べて2%以上の賃上げを実施した場合には、現行の10%の税額控除額に給与等支給総額の前年からの増加額について12%の税額控除を上乗せされることとなりました。


「役員給与等について見直し」
1、 趣旨
 経営者に攻めの経営を後押しするため、中長期の企業価値向上に対するインセンティブとして、多様な業績連動報酬や株式報酬の導入の促進を目的として改正されました。

2、 概要
(1)利益連動給与について、現行の利益指標に株価等の指標(業績連動指標)を追加、また、計測期間も単年度指標から複数年度指標に拡大しています。
 これを受けて、業績連動指標に基づく一定の株式数の交付を給与に加えています。
(2)退職給与で利益等の指標を基礎として算定されるもののうち一定の要件を満たさないものは、その全額を損金不算入とし、これにあわせて、利益連動給与について、指標の対象が複数年になることを受け、業績目標の達成度合いに応じた新株予約権の一定数の交付を給与に加えています。
 なお、損金算入の手続に関しては、一定の時期に確定した金銭又は株式数を交付する給与は、事前確定の届出が必要。一方、複数年の期間に連動した金銭、株式等を交付する給与は、報酬委員会等の決定や有価証券報告書での開示等が必要です。
(3)譲渡制限付株式等について、完全子会社以外の子会社役員も付与の対象に加えています。また、非居住者である役員についても損金算入を可としています。
(4)定期同額給与の範囲について、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額を定期同額の範囲に加え、柔軟な対応に改めています。
3、適用時期 
上記改正の適用は、退職給与、譲渡制限付株式及び新株予約権に係る部分は平成29年10月1日以後、その他の部分は同年4月1日以後に支給又は交付の決議(その決議がない場合、その支給又は交付)をする給与からです。
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2017年5月17日 水曜日

平成29年度税制改正 法人課税編その1

平成29年度の税制改正に関する法律が3月31日に公布、4月1日より施行されています。今回から、法人課税における主な改正項目について、簡単に解説していきます。

「試験研究費の税額控除の拡充」
1、 趣旨
 競争力強化のため官民の研究開発投資を2020年に対GDP比4%以上とする政策目標の着実な達成のため、研究開発投資の増減に応じて支援にメリハリをつける仕組みを導入するとともに、中小企業向け支援を強化する等の充実を図ることとされました。また、第4次産業革命型の高付加価値サービスの開発が新たな対象に追加されています。
2、 概要
(1)総額型の拡充
 改正では、税額控除額は、前年からの試験研究費の増額が大きいほど税額控除率も大きくなっています。
 中小企業の場合は、税額控除率が費用の12%分とされていましたが、改正では12%~17%分の控除率となっています。
 一方、大企業は、8%~10%分だった税額控除率が6%~14%分に改正されています。
(2)試験研究費の範囲にサービス開発を追加
 第4次産業革命を強力に推進するため、試験研究費の範囲に第4次産業革命型の「サービスの開発」も対象にくわえられました。これまで製造業に偏っていた対象企業の範囲を広げることとなります。
(3)高水準型の2年延長
適用期限が到来した「増加型」は廃止されるとともに「高水準型」は2年延長されます。
(4)オープンイノベーション型の手続き見直し
 「オープンイノベーション型」は、手続の見直しにより使い勝っての向上が図られます。

「確定申告書の提出期限の延長の特例の見直し」
1、 趣旨 
コーポレートガバナンス強化の一環として、企業と投資家の対話の充実を図るため、上場会社などが株主総会の開催日を柔軟に設定できるようにするため、法人税などの申告期限の延長可能月数が拡大されます 
2、 概要
法人が、会計監査人を置いている場合で、かつ、定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3月以内に決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められる場合には、その定めの内容を勘案して4月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間の確定申告書の提出期限の延長が認められることとなりました。
3、 適用時期
 この規定は、平成29年4月1日以降の申請から適用されます。
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投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2017年5月10日 水曜日

最近の日商簿記事情

◆会計事務所や経理担当者の登竜門!
 会計・経理の資格といえば、やはり日商簿記(日本商工会議所主催簿記検定)や全経簿記(社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験)です。日商簿記でいえば1級が一番難しく、この1級を取得すると税理士試験を受験する事ができます。2級資格は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる」内容とされており、資格保持者は一般的な会社の経理の知識を十分持っている者、といえるでしょう。

◆時代のニーズに合わせて内容等も変更
 日商簿記2級は平成28年6月より、出題範囲が変更されました。昨今のビジネススタイルに合わせ、クレジット売掛金・電子記録債権(債務)・サービス業の処理等が新たに追加され、簿記試験が企業活動や会計実務に即した内容になるよう改定されています。また、今までは「4級」とされていた難易度の低い資格が廃され、新たに「日商簿記初級」が2017年4月から始まりました。この初級は「簿記の基礎知識は企業活動や経営を理解するため、経理・会計担当者のみならず、業種・職種を問わず企業人すべてに必要とされており、短期間でこれを習得するための目標となる資格」と位置付けられているようです。

◆初級はネット受験可能
 1級・2級・3級は今まで通り、お近くの商工会議所で受験する必要がありますが、初級はパソコン教室や資格取得の為の学校等、商工会議所より施行機関として認定されている「商工会議所ネット試験会場」に赴けば受験が可能です。また、試験の結果は即時に出るようです。
 内容は決算処理等の部分が省略されてはいますが、簿記の基本原理・期中取引の処理・月次集計等が出題範囲となっているので、簿記を学んでいない方等には取り組みやすい目標で「経理担当では無いが、基礎的な簿記の知識くらいは知っておきたいな」と思っていらっしゃる方にはお勧めです。
 また商工会議所は「会計ソフトの操作」に特化した「電子会計実務検定」という資格認定も行っています。昔に比べると、経理まわりの選択肢も増えましたね。
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