菅原会計事務所ブログ

2017年8月30日 水曜日

【時事解説】パリ協定米国離脱と地球温暖化対策の今後

記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター

 6月、トランプ米大統領はパリ協定の離脱を表明しました。パリ協定というのは、2020年以降の地球温暖化対策を定めた国際協定です。米国の離脱表明には、世界各国から懸念の声があがりました。もともと、温暖化対策の国際協定は1997年に採択された京都議定書があります。ただ、こちらは期間が2008年から2020年までで、パリ協定は京都議定書の後の温暖化対策が盛り込まれたもの、という位置付けになります。2015年に採択されました。

 世界でもっとも二酸化炭素(CO2)の排出量が多い国は中国で、米国は次ぐ第2位の国家です。パリ協定では、米国と中国が加盟したこと、さらには、米中両国の協力で、インドなどの途上国も削減目標を持ったことが大きな進歩として評価されています。

 ところが、米国の離脱表明があり、この後、中国までが脱退を表明すると、相次いで途上国の大量離脱が起こるのではないか、といった懸念があります。ただ、現在のところ、中国は離脱の意思は表明していません。それどころか、米国が離脱を表明し孤立したことで、中国の発言権が強まることが予想されるため、むしろ温暖化対策へ熱心に取り組む姿勢を見せています。

 米国の離脱表明を受けて、中国以外の国の反応はどうでしょうか。日本をはじめ、欧州やロシアなどは、米国に影響されることなく、協定を守る姿勢を見せています。こうしたことから、米国の離脱表明の影響は限定的という見方が現在のところは強まっています。

 地球温暖化は、世界全体にとって脅威であり、もはや差し迫った状態であるという認識が各国共通の認識としてあるようです。

トランプ米大統領は、地球温暖化対策に関する国際協定である「パリ協定」の離脱を表明しました。ただ、すぐに離脱するわけではなく、手続きなどの期間もあることから、正式な離脱は2020年11月となります。これは、次の大統領選挙の後なので、選挙の結果次第で離脱の方向性が変わる可能性もあります。

 米国の離脱表明で、気になるのはビジネスへの影響です。現在、地球温暖化対策として、エネルギーの分野では、石炭などの二酸化炭素を排出するものから、環境負荷の低いものへシフトする動きがあります。具体的には、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに関する事業が活発になっています。数年前まで、再生可能エネルギーはコストが高く実用化は難しいとされていました。ところが、技術の進歩でコストが徐々に下がり、採算化が見えるようになりました。その中、パリ協定が形骸化すると、今後、環境ビジネス分野の成長に黄色信号がともるおそれが出てきます。

 また、再生可能エネルギーのほかには、日本ではトヨタ自動車をはじめとする、自動車メーカー各社がハイブリッドカーや電気自動車など、環境負荷の低い自動車の開発に力を入れています。それに伴い、電機メーカーも、車載電池の開発に取り組むなど、環境ビジネスは広がりを見せています。

 現在のところ、米国のパリ協定離脱の表明に対して、トヨタ自動車やパナソニック、また、米アップルやインドIT大手企業など、世界各国で多くの企業が、従来の方針を変えずに、開発に取り組む姿勢を見せています。こうしたことから、ビジネスの分野では、米国のパリ協定離脱の影響は限定的という見方が強まっています。
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2017年8月 2日 水曜日

タカタ㈱の民事再生法適用申請によりセーフティネット保証1号の発動

◆中小企業・小規模事業者対策として
 エアバッグの欠陥で大量リコール(回収・無償修理)があった自動車部品大手のタカタ㈱は、平成29年6月26日に東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。米国法人を含む海外子会社も同様に、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請しました。実質的な負債総額は1兆円を超えており、製造業では戦後最大の大型倒産です。信用不安が広がらないように支援企業も決まっており、中国の部品大手「寧波均勝電子」傘下の米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)が選ばれています。
 経済産業省も、この倒産劇が中小企業に与える影響を考慮し、資金繰り等に関する相談窓口を設置し、公的金融機関による支援を実施するなど、支援策を講じています。

◆セーフティネット保証1号(連鎖倒産防止)の発動
 タカタ㈱と一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象として、一般保証とは別枠で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号を発動します。
・対象となる中小企業者(以下いずれかを満たす場合)
①当該事業者に対して50万円以上売掛金債権等を有している中小企業
②当該事業者の事業活動に20%以上依存している中小企業者
・内容(保証条件)
①対象資金:経営安全資金
②保証割合:100%
③保証限度額:無担保8千万円含み2億円
④保証人:原則第三者保証人は不要

◆その他のセーフティネット保証
 1号から8号まであります。有名なところでは業況の悪化している業種に属する中小企業者で、直近3カ月間の売上高が前年同期比で5%以上減少している等が条件の5号(業況の悪化している業種)で、リーマンショックや原油価格高騰でお世話になった中小企業者も多かったかもしれません。
「溺れる者は藁をもつかむ」ではありませんが、緊急時にはありがたい制度です。
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