法人税

2016年8月31日 水曜日

法人税通達Q&A「減価償却」その5

法人税通達Q&A「減価償却」その5  

Q5 一括償却資産について償却不足が生じました。翌期に償却不足も合わせて償却しましたがみとめられますか? 

A5 通常の償却限度額を超える部分の金額は損金不算入とされます。すなわち、償却不足分の翌期損金算入は認められません。

一括償却資産について、償却が認められるための要件は、次のとおりです。
(1)選定    法人が一括償却の方法を選定すること
(2)損金経理  一括償却対象額について損金経理をした金額の範囲内であること
(3)償却限度額 一括償却対象額×その事業年度の月数/36に達するまでの金額
(4)明細書添付 確定申告書に損金算入額の計算明細書の添付があり、その計算に関する書類を保存すること

損金経理が前提となっているため、償却限度額に不足する金額は所得計算上なかったものとして取り扱われます。翌期以降の償却限度額は通常の償却限度額のままです。結果として償却不足が生じた場合は、償却年数が延長することとなります。

Q6 一括償却資産は未使用のままでも償却できますか?

A7 一括償却の適用は事業供用が要件とされ、購入後未使用のままでは償却の適用はありません。

一括償却の規定は、少額減価償却資産の損金算入の規定と同様に事業の用に供した場合に適用されます。したがって、購入後未使用のままでは償却できません。通常の法定耐用年数による減価償却も事業供用時から償却が開始されます。この場合、期中供用資産については事業供用時から月数按分により償却されます。ところが、一括償却の場合、事業供用月数に関係なく単純に取得価額の12/36が損金に算入されます。期末に購入したものについて事業年度をまたいで事業の用に供した場合は、大きな違いとなるので注意が必要です。

また、一括償却資産について稼働休止した場合の取扱いですが、償却を停止する必要はなく通常通り償却を続けることになります。これは、帳簿上の管理を不要とする以上、個々の資産の稼働状況を把握する必要がないためであり、除却の場合と同様に一括償却を続けることになります。
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投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2016年8月24日 水曜日

法人税通達Q&A「減価償却」その4

法人税通達Q&A「減価償却」その4  

Q4 一括償却の対象となる10万円以上20万円未満の償却資産について、固定資産税が課されるのでしょうか? 

A4 一括償却の方法を選択した場合には固定資産税は課税されませんが、通常の法定耐用年数により償却する場合には課税されます。

 取得価額10万円以上20万円未満の償却資産については、一括償却の対象となりますが、固定資産税については一括償却の方法を選択した場合には課税されません。
一括償却を選択する場合の経理方法には、一括償却資産を会計上全額費用処理し、申告調整の段階で一括償却限度超過額を申告加算する方法と、貸借対照表に資産計上し一括償却限度額相当額を費用処理する方法との2通りがありますが、いずれの場合でも固定資産税は課されません。

また、同一市町村内で同一人が所有する償却資産の課税標準が150万円未満である場合には固定資産税が免除されます。この場合の150万円未満であるかどうか判定する場合、一括償却を選択した資産は含まれません。ただし、通常の法定耐用年数により償却する方法を選択した場合には課税対象となり、免税の判定にも含まれるので注意が必要です。

これらの取り扱いは、次の趣旨によるものです。法人税において一括償却の方法を選択した資産については、個別管理が一切不要になります。このためこれを固定資産税の課税対象に取り込むと、課税対象に取り込まれた資産について固定資産税独自に申告する必要が生じ、納税者の事務負担が増大するのです。そうなると、法人税で納税者の事務負担を配慮し、一括償却に規定を設けた意義が希薄になるため、自治省ではこれらの点に配慮し、法人税の取り扱いを尊重したのです。

一括償却は個々の資産ごとに選択することが可能であり、資産によって通常の法定耐用年数により償却する場合があります。たとえば、法定耐用年数が2年の資産、取り換え更新が頻繁な資産、特別償却や税額控除の対象とする資産です。これらの資産について通常の耐用年数により償却する場合には、固定資産税の課税対象になることを考慮に入れて選択したいものです。
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投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

2016年8月10日 水曜日

法人税通達Q&A「減価償却」その3

法人税通達Q&A「減価償却」その3  

Q3 一括償却の適用を受ける資産は、貸借対照表に資産として計上することができるとのことですが、この場合、どのように表示すべきでしょうか?

A3 税務上表示は自由です。資産計上しても問題ありません。ただし、会計上は資産の種類ごとに合算して表示すべきです。

 法人が一括償却の方法を選定したときは、その一括償却資産につき各事業年度において損金に算入される金額は、その一括償却資産の取得価額の合計額の全部または一部につき、損金経理した金額のうち、一括償却限度額に達するまでの金額となります。

したがって、一括償却資産として選定し、その取得価額の全部または一部について損金経理することが要求されています。このことから、一括償却の対象とした資産については、取得価額の全額を損金経理し償却限度超過額を申告加算する方法と、貸借対照表に資産計上し償却費相当額を損金経理する方法とのいずれもが認められます。

経理方式 全額損金経理・申告加算   ・・・申告調整方式
     資産計上・償却費のみ損金経理・・・決算調整方式

税務上損金経理する場合の勘定科目や、資産計上する場合の表示方法については定めがなく、自由に設定できます。次に決算調整方式を採用する場合のメリット・デメリットを比較すれば次のとおりです。

       メリット             デメリット
・会計上の利益と税務上の利益が変わらない  ・会計処理方法を変更する必要がある
・一括償却資産の管理・把握が容易である   ・事務作業量が増大する

貸借対照表に資産計上する場合の表示方法は、一括償却資産について例えば「少額固定資産」など新しい勘定科目を設ける方法と、従来の資産の種類ごとに合算する方法が考えられます。会計上は一括償却という概念はなく、資産計上するかしないかは重要性の原則の問題です。したがって、資産計上する場合には、各資産の種類ごとに合算して表示すべきです。そして、申告調整方式にしろ決算調整方式にしろ継続性の原則を順守することが要求されます。
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投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

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