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2013年8月28日 水曜日

税制をめぐる最近の動き

1 税制調査会の開催
 8月5日に第2回の税制調査会が開催され、各委員及び特別委員から様
々なご意見が出されました。次回は秋に開催される予定です。
 会議の模様や資料等については、税制調査会のホームページでご確認い
ただけます。
(税制調査会HP)
http://www.cao.go.jp/zei-cho/

2 中里政府税制調査会会長からのメッセージ

 日本国憲法の定める租税法律主義の原則の下、税制改革はすべて法律改
正によりなされるものです。それ故に、それについて責任を負うのは、国
会であり内閣です。税制調査会が税制改革を行う権限を与えられているわ
けではありません。私達、租税制度の専門家は、その際の留意点を総理へ
の諮問に対する答申というかたちで述べることを期待されているにとどま
ります。

 したがって、私たちは、税制改革をめぐる議論には様々な制約があると
いう点を理解しなければなりません。理論的な観点のみを重視して、云々
すべきであるというのは簡単なことかもしれませんが、税制調査会は、ど
の学説が正しいかを判断する場ではありません。理論を現実のものとする
ためには、政治的制約、法的制約、国際的制約と、様々な制約が存在しま
す。白地に絵を描くような租税制度の構築が不可能な以上、漸進的な改革
こそが、唯一現実的なものといえます。

 ところで、この30年程の間に、租税制度の研究者は、経済取引の実態を
理解しなければ、研究が難しい状況になっています。課税の対象が経済取
引である以上、その実態の理解が何よりも重要なことは当然のことです。
そのような変化を前提とすると、税制改革の議論も、今後、変化を迫られ
ます。

 第一に、納税の現場を無視した議論は行われなくなるのではないでしょ
うか。経済取引に基づいて申告が行われ、その結果として納税がなされる
のですから、これは当然のことといえます。理論的にいかに正しいことで
あっても、現場が混乱するような制度改正は受け入れられないでしょう。

 第二に、国際的な議論が必須のものとなるでしょう。OECDやG8・G20に
おける国際的な課税逃れ(BEPS, or Base Erosion and Profit Shifting)
に関する議論を無視した議論はありえないものとされるでしょう。また、
国際課税の議論のみならず、日本における税制改革をめぐる議論を外国に
知ってもらうための努力が必要です。

 第三は、将来に関する明るい展望です。暗い気持ちで暗澹たる未来を論
ずるだけでは、国民に見離されてしまいます。また、反対論を揶揄するだ
けの議論も生産的ではありません。政策とは、すべからく、国民の気持ち
を明るくするようなポジティブなものでなければなりません。明るい未来
を提示できる議論が必要です。

 今後の税制調査会における議論についても、この三本柱に沿ったかたち
で行けたらと考えています。

                           東京大学教授
                             中里 実

財務省 税制メルマガより
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投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

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