税務調査

2018年4月11日 水曜日

国税庁:2016事務年度の所得税調査事績を公表!

 国税庁は、2016事務年度の所得税調査事績を公表しました。
 それによりますと、2016事務年度(2017年6月までの1年間)において、所得税調査は、前年度(65万件)に比べて0.5%減の64万7千件行われました。
 そのうち、約62%にあたる40万件(前事務年度39万6千件)から同1.1%増の8,884億円(同8,785億円)の申告漏れ所得が見つかりました。
 その追徴税額は同3.5%増の1,112億円(同1,074億円)で、1件平均137万円(同135万円)の申告漏れに対して17万円(同17万円)を追徴しました。

 実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は、前年度に比べて2.1%増の4万9千件を実施し、そのうち約88%にあたる4万3千件から同0.5%減の総額4,499億円の申告漏れ所得を見つけました。
 その追徴税額は、同0.9%増の753億円となりました。

 件数は全体の7.6%ですが、申告漏れ所得金額は全体の50.6%を占め、調査1件あたりの申告漏れは918万円となりました。
 また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は、前年度比16.7%増の2万1千件行われ、うち1万6千件から同19.1%増の860億円の申告漏れを見つけ、66億円を追徴し、1件あたり平均申告漏れは405万円となりました。

 一方、簡易な接触は、同1.2%減の57万7千件行われ、うち34万2千件から同0.5%減の3,525億円の申告漏れを見つけ、293億円を追徴し、1件あたりの平均申告漏れは61万円となりました。
 実地調査トータルでは、前年度比6.1%増の7万件の調査を行い、うち5万8千件から同2.2%増の5,359億円の申告漏れを見つけ、819億円を追徴しました。
 近年の所得税調査の特徴は、高額・悪質と見込まれるものを優先して深度ある調査(特別調査・一般調査)を重点的・集中的に行う一方で、実地調査までには至らないものは電話や来署依頼による簡易な接触で済ます調査方針にあります。

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2017年12月15日 金曜日

海外通じた税逃れが続々

記事提供:エヌピー通信社

 国税当局の調査官が海外資産を持つ人や海外投資をしている人への監視を強めています。国税庁の発表によると、昨年度の海外関連の所得税実地調査は3145件。そのなかには「どうせバレないだろう」と安易な考えで無申告だった事例もあります。

 会社員Aは海外不動産の譲渡で利益を得たにもかかわらず、税務署にその所得を届け出ませんでした。海外での取り引きを把握されることはないだろうとAは高を括っていたわけですが、税務署は国内口座に海外から多額の現金が振り込まれている事実を把握し、何らかの所得が発生していた可能性があると判断しました。金融機関を経由した国外への送金や国外からの現金受領が100万円を超えると、金融機関は現金の動きを記した「国外送金等調書」を税務署に提出することになっているのですが、それによってAの海外での所得が発覚したのです。

 また、他国の預金にかかる利子所得を申告していなかったBは、その国の税務当局が日本との租税条約に基づいて利子収入に関する情報を日本の国税当局に提供したことをきっかけに、申告漏れの疑いをもたれて調査を受けました。その過程で、海外不動産を売却して譲渡益を得ていたにもかかわらず申告していなかったことが発覚。Bは国外に一定の財産を持っている人に提出が義務付けられている「国外財産調書」を提出していなかったため、加算税を5%分加重され、2900万円の追徴税額を課税されました。

 国税当局がいわゆる富裕層の海外資産への課税や監視を強化しているなか、明らかな違法行為である脱税はもちろんのこと、グレーゾーンのスキームにもリスクが伴うことを理解しておきたいところです。

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2017年11月 8日 水曜日

東京税理士会:税務調査アンケート書面添付関係

 東京税理士会は、2016年度税務調査アンケート結果(有効回答数1,676会員)を公表しました。
 それによりますと、税務調査日数は1日~2日で終了との回答割合が約7割を占め、書面添付制度では、回答のあった1,514件のうち、「書面添付をしている」は335件で、添付割合は前回(20.2%)に比べ1.9ポイント増の22.1%となりました。

 「添付している」と回答した335件(22.1%)の内訳は、「全て添付している」が52件(3.4%)、「一部添付している」が283件(18.7%)でした。
 また、「添付していない」と回答した1,179件(77.9%)のうち、「過去に添付していたが、今は添付していない」との回答が39件(2.6%)あった一方で、「今は添付していないが、今後添付する予定」との回答が78件(5.2%)ありました。

 書面添付制度に対する意見では、「書面添付制度は重要な制度」といった肯定的な意見もある一方で、前回に引き続き「書面添付制度を利用するに当たってその効果が不明確」という意見や様式の簡素化を望む意見も多数みられました。

 また、書面添付件数をみてみますと、「法人税(消費税含む)」は、総申告件数6,718件のうち書面添付した件数が4,737件で70.5%(前回58.8%)、「所得税(消費税含む)」は、同5,352件のうち2,486件で46.4%(同21.7%)、「相続・贈与税」は、同1,372件のうち751件で54.7%(同43.1%)となり、全体的に添付比率が上がりました。

 書面添付する理由(複数回答可)では、「税務調査の省略化」が61.5%で最多、次いで「業務品質の向上」(50.4%)、「業務上の責任範囲を明確化」(35.2%)、「税理士の権利」(31.0%)、「顧問先に対するアピール」(30.1%)、「金融機関に対するアピール」(8.4%)などが挙げられ、その他の理由では、顧問先からの依頼や、申告書で表現しきれなかった事案の捕捉などの回答がありました。

 一方、書面添付していない理由(複数回答可)では、「時間や労力がかかり煩雑」が51.6%で最多、次いで「添付する効果が不明」(49.2%)、「科目内訳及び概況書で十分」(33.8%)などがありました。

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2017年8月23日 水曜日

マルサがあばいた脱税総額161億円

提供:エヌピー通信社

 国税庁によると、脱税のうちでも特に悪質なものを対象とする「査察調査」があばいた2016年度の脱税額は総額で161億円でした。着手件数では前年を下回ったものの、マルサの〝成果〟となる告発率は直近3年間でも飛び抜け、7割に迫る数字となっています。

 告発した事案1件当たりの脱税額は9600万円。脱税によって得られた資金は、現金、預貯金、有価証券、FX取引の証拠金として溜め込まれていた例が多かったそうですが、なかには競走馬の購入資金や愛人への〝お手当〟に使われていたケースもあったとのことです。

 特徴的な事例として紹介されているのは、消費税の免税取引を利用した高級時計輸出会社の脱税スキームです。この会社は在庫を抱える高級腕時計をグループ会社間で還流させ、そのなかに国外にある企業を混ぜることで、消費税の免税取引による不正還付を受けていました。この事案について国税庁は、削除されたパソコンのデータを削除履歴などから逆にたどって完全復元する「デジタルフォレンジックツール」を利用して不正取引の全容を解明したと胸を張っています。

 また近年国税が特に力を入れている国外財産の捕捉事例としては、国外に設立した企業に架空の手数料名義で所得を逃し、国外預金や不動産に留保していた事案が紹介されています。この事例では、租税条約に基づく外国税務当局との情報交換制度が解明に役立ったそうです。「パナマ文書」などをきっかけに、各国間の税務当局ネットワークを密にする取り組みは急速に進んでいることから、租税条約を活用した国際事案の発覚は今後増えていくことが予想されます。

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2017年7月19日 水曜日

国税庁:2015事務年度の富裕層に対する所得税調査結果を公表!

 国税庁は、2016年6月までの1年間(2015事務年度)において、有価証券や不動産などの大口所有者、経常的な所得が高額な者など(以下:富裕層という)に対する所得税調査結果を公表しました。
 それによりますと、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しており、所得税調査において重点課題と位置づけ、積極的に取り組んでおります。

 2015事務年度には、前年度比0.4%増の4,377件の富裕層に対する実地調査が行い、申告漏れ額516億円を把握しました。
 調査件数の約80%に当たる3,480件(前年度比1.9%増)から何らかの非違を見つけ、その申告漏れ所得金額は516億円(同32.3%増)で、加算税を含め120億円(同18.8%増%減)を追徴しました。
 そして、1件当たりの申告漏れ所得金額は1,179万円(同31.9%増)、追徴税額273万円(同18.2%増減)となり、追徴税額は、所得税全体の実地調査(特別・一般)1件当たり155万円と比べて約1.8倍にのぼりました。

また近年、資産運用の国際化が進んでいることから、国税当局では富裕層の海外投資等にも目を光らせており、同期間中にも海外投資を行っていた565件(前年対比26.1%増)に対して調査を展開し、約82%に当たる461件(同27.3%増)から168億円(同60.0%増)の申告漏れ所得金額を把握し、43億円(同72.0%増)を追徴しております。
 そして、1件当たりの申告漏れ所得金額は2,970万円(同27.1%増)となりました。

 このように、国税庁は富裕層に対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約に基づく自動情報交換資料などのさまざまな情報を活用し、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に置きながら、海外取引・海外資産関連収入の的確な把握及び積極的な調査に取り組んでおります。
 近年の所得税調査は、富裕層を含め、社会的な波及効果の高く、かつ、高額・悪質を優先とした深度ある調査が特徴となっており、今後も同様の動きが継続されるものとみられております。

投稿者 菅原会計事務所 | 記事URL

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